鼻血(鼻出血)
鼻血(鼻出血)が止まらない・繰り返す方へ
鼻血は、医学的には「鼻出血(びしゅっけつ)」と呼ばれ、鼻の粘膜にある細い血管が傷ついて出血する症状です。
多くの鼻血は適切な圧迫で止まりますが、「なかなか止まらない」「同じ側から何度も出る」「一度止まっても繰り返す」場合には、出血している場所を確認し、耳鼻咽喉科での止血処置が必要になることがあります。
江北耳鼻科・皮膚科クリニックでは、鼻の中を観察して出血部位を確認し、必要に応じてバイポーラによる電気凝固止血にも対応しています。
足立区江北、西新井大師西周辺で、止まりにくい鼻血や繰り返す鼻血でお困りの方はご相談ください。
鼻血(鼻出血)とは?
鼻の中には多くの血管があり、特に鼻の入口に近い鼻中隔には細い血管が集まっています。そのため、鼻を触る、鼻を強くかむ、粘膜が乾燥するといった比較的小さな刺激でも出血することがあります。
鼻出血は大きく以下のように分けられます。
- 前方からの鼻出血:鼻の入口に近い部分から出血するタイプで、一般的な鼻血の多くを占めます。
- 鼻の奥からの鼻出血:鼻腔の奥から出血するタイプで、出血量が多くなったり、止血が難しくなったりすることがあります。
特に鼻血が起こりやすいのが、鼻中隔前方にある「キーゼルバッハ部位」です。細い血管が多く集まっているため、乾燥や刺激によって出血しやすい場所です。
鼻血の原因|なぜ鼻血が出るのか?
鼻をいじる・こする
鼻をほじる、強くこするなどの刺激で鼻粘膜が傷つくと、鼻血の原因になります。特に小さなお子さまによくみられます。
鼻の粘膜の乾燥
冬季や冷暖房を使用する時期は鼻の粘膜が乾燥しやすくなります。粘膜が乾燥すると傷つきやすくなり、軽い刺激でも鼻血が出ることがあります。
アレルギー性鼻炎・風邪
アレルギー性鼻炎や風邪によって鼻の粘膜に炎症があると、鼻をこすったり何度も鼻をかんだりすることで出血しやすくなります。
鼻を強くかむ
強く鼻をかむことで鼻粘膜や血管に負担がかかり、出血することがあります。鼻血を繰り返している時期は、できるだけ優しく鼻をかむことが大切です。
外傷
スポーツ、転倒、事故などで鼻に強い力が加わると、鼻血が出ることがあります。鼻の変形や強い腫れを伴う場合には、鼻骨骨折などの確認が必要です。
高血圧
高血圧が鼻血の直接的な原因とは限りませんが、血圧が高い方では、一度出血すると止まりにくかったり、出血量が多くなったりすることがあります。
抗凝固薬・抗血小板薬などの薬
ワルファリン、DOAC、アスピリンなど血液を固まりにくくする薬を服用している方では、軽い鼻粘膜の傷でも出血が長引くことがあります。
鼻血が出たからといって、これらの薬を自己判断で中止しないでください。服用している薬がある場合は診察時にお知らせください。
血液疾患・全身疾患
まれに、血小板の異常や血液疾患、肝疾患などが出血しやすさに関係していることがあります。鼻血だけでなく、あざができやすい、歯ぐきからも出血するなどの症状がある場合には、詳しい検査が必要になることがあります。
鼻血の止め方|自宅でできる正しい対処法
1.座って、軽く前かがみになる
鼻血が出たら、まず椅子などに座って落ち着いてください。血液がのどへ流れ込まないよう、頭を後ろへ反らさず、軽く前かがみになります。
2.小鼻の柔らかい部分をつまむ
親指と人差し指で、鼻の骨がある硬い部分ではなく、小鼻の柔らかい部分を左右からしっかりつまみます。
3.途中で確認せず、15分程度しっかり圧迫する
数分ごとに手を離して確認すると、できかけた血のかたまりが取れて再び出血することがあります。時計を見ながら、15分程度しっかり圧迫してください。
血液が口へ流れてきた場合には、飲み込まずに吐き出してください。
鼻血が止まらないときの受診の目安
次のような場合には、耳鼻咽喉科の受診をご検討ください。
- 十分に圧迫しても鼻血が止まらない
- 同じ側の鼻から何度も鼻血が出る
- 一度止まっても短期間に繰り返す
- 出血量が多い
- 血液が大量にのどへ流れてくる
- 転倒や事故など、鼻を強く打った後に出血している
- 血液を固まりにくくする薬を服用している
- あざができやすい、歯ぐきからも出血するなど、鼻以外からの出血もある
大量の出血が続く、意識がぼんやりする、強い息苦しさやふらつきがある場合などは、通常の外来受診ではなく救急受診が必要になることがあります。
鼻血の検査・診断
耳鼻咽喉科では、単に鼻血を止めるだけではなく、どこから出血しているのか、なぜ繰り返しているのかを確認します。
当院では、状態に応じて以下のような診察・検査を行います。
- 鼻腔内の診察:鼻の入口から鼻腔内を観察し、出血している場所を確認します。
- 鼻内視鏡検査:必要に応じて細い内視鏡を使用し、肉眼では確認しにくい鼻の奥まで観察します。
- 血液検査:出血の状況や全身状態から必要と判断した場合に、貧血、血小板、凝固機能などを確認します。
腫瘍や副鼻腔疾患などが疑われ、CTなどの画像検査が必要と判断した場合には、適切な医療機関をご案内します。
当院の鼻血治療|バイポーラによる電気凝固止血に対応
江北耳鼻科・皮膚科クリニックでは、止まりにくい鼻血や繰り返す鼻血に対する治療の選択肢として、バイポーラ凝固装置を導入しています。
バイポーラとは?
バイポーラは、ピンセット状の器具の先端にある2つの電極の間に高周波電流を流し、組織を凝固させる医療機器です。
鼻血の出血点が確認できる場合には、出血している血管やその周囲を狙って電気凝固し、止血を図ることができます。
バイポーラ治療の患者さんにとってのメリット
- 出血している場所を確認しながら処置できる
- 必要な部分を狙って局所的に凝固できる
- 圧迫だけでは止まりにくい鼻血に対する治療選択肢が増える
- 同じ場所から繰り返す鼻血に対して、原因となる出血点を直接処置できる場合がある
「バイポーラがあるからすべての鼻血を焼く」という治療ではありません。鼻血の場所・出血量・年齢・服用している薬・全身状態などを確認し、患者さんごとに適した治療方法を選択します。
バイポーラによる鼻血治療の流れ
- 鼻の中を診察
出血している場所を確認します。 - 必要に応じて内視鏡で確認
鼻の奥など、通常の診察だけでは確認しにくい場所も観察します。 - 必要に応じて局所麻酔
処置時の痛みに配慮しながら治療を行います。 - バイポーラで電気凝固
出血点を確認しながら、必要な範囲を凝固して止血を図ります。 - 止血状態を確認
処置後に再出血がないかを確認します。
圧迫止血・ガーゼ処置
出血の状態によっては、血管収縮作用のある薬剤を使用したガーゼや止血材料などで圧迫し、止血を図ります。
原因となる鼻炎などの治療
アレルギー性鼻炎などによって鼻をこすったり、何度も鼻をかんだりすることが鼻血の原因になっている場合には、鼻血の処置だけでなく、原因となる鼻炎の治療も行います。
すべての鼻血にバイポーラを使用するわけではありません
バイポーラによる電気凝固は、出血している場所が確認でき、焼灼による止血が適していると医師が判断した場合に行います。
次のような場合には、別の止血方法や高次医療機関での治療が必要になることがあります。
- 出血点を確認できない場合
- 鼻の奥から大量に出血している場合
- 広い範囲から出血している場合
- 全身状態に問題がある場合
- 外来での止血が困難と判断した場合
鼻血の状態を診察したうえで、圧迫止血、薬剤、ガーゼ・止血材料、電気凝固などから適切な治療方法を判断します。
子どもの鼻血を繰り返す場合
お子さまの鼻血は、鼻の入口に近いキーゼルバッハ部位から出血していることが多く、鼻を触る癖、アレルギー性鼻炎によるかゆみ、鼻粘膜の乾燥などが関係していることがあります。
何度も鼻血を繰り返す場合には、出血している場所だけでなく、なぜ鼻を触ってしまうのか、鼻炎や乾燥がないかも一緒に確認することが再発予防につながります。
なお、小さなお子さまでは、処置中に安全に静止することが難しい場合があります。年齢や状態によっては、安全を優先して電気凝固を行わないことがあります。
鼻血処置後の注意点と再出血予防
止血した部分は、処置直後から完全に元の鼻粘膜へ戻るわけではありません。処置後しばらくは再出血しやすいため、医師から指示された期間は次の点にご注意ください。
- 鼻をいじったり、強くこすったりしない
- 鼻を強くかまない
- 激しい運動を控える
- 長時間の入浴やサウナを控える
- 飲酒を控える
- くしゃみをするときは、できるだけ口を開けて行う
アレルギー性鼻炎や鼻の乾燥がある場合には、それらの治療や保湿を併せて行うことも重要です。
鼻血の予防|乾燥・アレルギー対策も重要です
- 鼻をいじらない、強くこすらない
- 鼻を強くかまず、やさしくかむ
- 室内が過度に乾燥しないようにする
- 鼻の入口が乾燥する場合は、適切な保湿を行う
- アレルギー性鼻炎など、鼻を触る原因となる疾患を治療する
特にアレルギー性鼻炎では、鼻のかゆみや鼻水のために鼻を触る回数が増え、鼻血を繰り返すことがあります。鼻血だけでなく、鼻炎そのものをコントロールすることも大切です。
鼻血に関するよくある質問(FAQ)
Q:鼻血が止まった後でも耳鼻科を受診した方がいいですか?
一度だけで、その後まったく症状がなければ必ずしも受診が必要とは限りません。一方、同じ側から何度も出る、短期間に繰り返す、出血量が多い場合には、鼻血が止まった後でも出血しやすい血管や鼻粘膜の状態を確認できることがあります。
Q:鼻血を焼く治療とはどのような治療ですか?
鼻の中の出血点が確認できる場合に、その部分を電気凝固などで処置して止血する治療です。当院では、適応がある場合にバイポーラを使用した電気凝固止血に対応しています。
Q:バイポーラによる治療は痛いですか?
処置部位や患者さんの状態によって感じ方は異なります。必要に応じて局所麻酔を行うなど、痛みに配慮しながら処置します。
Q:バイポーラで処置すれば鼻血は二度と出ませんか?
出血点を凝固することで、その部位からの止血を図ることができますが、鼻血の再発を完全に防げるわけではありません。乾燥、鼻を触る癖、アレルギー性鼻炎などがある場合には、原因への対策も重要です。
Q:子どもの鼻血にもバイポーラを使えますか?
年齢、出血部位、処置中に安全に静止できるかなどを確認して判断します。すべてのお子さまに電気凝固を行うわけではありません。
Q:血液をサラサラにする薬を飲んでいますが、鼻血の治療はできますか?
抗血小板薬・抗凝固薬を服用している方は出血が長引くことがあります。服用している薬を診察時に必ずお知らせください。薬は自己判断で中止せず、必要に応じて処方している医師と連携して対応します。
Q:鼻血の原因が腫瘍ということはありますか?
頻度は高くありませんが、鼻腔内の腫瘍などが鼻血の原因になることがあります。特に、片側だけから繰り返し出血する、鼻づまりなど別の症状を伴う場合には、鼻腔内や鼻の奥を詳しく確認することがあります。
Q:ストレスで鼻血が出ることはありますか?
ストレスだけを鼻血の直接的な原因と判断することはできません。鼻粘膜の乾燥や傷、鼻炎、血圧、服用している薬など、ほかの原因も含めて考えることが重要です。
Q:季節と鼻血には関係がありますか?
空気が乾燥する冬季や、冷暖房によって室内が乾燥する時期には、鼻粘膜が乾燥して鼻血が起こりやすくなることがあります。
止まらない・繰り返す鼻血は耳鼻咽喉科へご相談ください
鼻血の多くは、鼻の粘膜の傷や乾燥などによるもので、適切な圧迫によって止血できます。
一方で、「何度も同じ側から出る」「十分に圧迫しても止まらない」「以前より出血量が増えている」場合には、一度出血部位を確認することが大切です。
江北耳鼻科・皮膚科クリニックでは、鼻腔内の診察や必要に応じた内視鏡による確認を行い、出血の状態に応じて圧迫止血、薬剤、ガーゼ・止血材料、バイポーラによる電気凝固止血などから治療方法を選択します。
足立区江北、西新井大師西周辺で、止まりにくい鼻血や繰り返す鼻血でお困りの方は、耳鼻咽喉科へご相談ください。
参考文献
- Clinical Practice Guideline: Nosebleed (Epistaxis), American Academy of Otolaryngology–Head and Neck Surgery Foundation, 2020
