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顔の痛み

「顔の片側だけがズキズキ痛む」「歯や鼻に異常がないのに顔が重く感じる」顔の痛みには、副鼻腔炎・帯状疱疹・三叉神経痛・顎関節症・歯性疾患など、さまざまな原因が関与しており、早期診断と適切な治療が後遺症予防の鍵になります。

顔の痛みとは?

顔の痛みとは、頬、額、目の周囲、こめかみ、顎、耳の周辺に生じる痛みや圧迫感、神経痛などを指します。ズキズキ、ピリピリ、重だるい、電撃のような痛みなど多彩な性質があり、原因となる疾患によって異なります。

風邪や副鼻腔炎などの一時的な炎症から、神経障害、帯状疱疹、腫瘍、脳神経に関係する病気まで幅広いため、正確な鑑別が重要です。

顔の痛みの主な原因

急性・慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔に細菌感染が起きて炎症を生じる病気で、頬や額、目の奥に鈍い痛みや圧迫感が出ます。鼻づまりや黄色〜緑色の鼻水、後鼻漏を伴い、慢性化すれば嗅覚低下や倦怠感を引き起こします。

帯状疱疹(顔面領域)とHunt症候群

水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化して神経に炎症を起こし、顔の片側にピリピリ・ズキズキする痛みと水疱が出現します。耳や眼の周囲に現れると重症化しやすく、早期治療が重要です。発症から72時間以内の抗ウイルス薬開始が効果的です。

Hunt(ハント)症候群

顔面神経麻痺と耳の帯状疱疹、耳鳴り・難聴・めまいが併発します。耳の周囲や外耳道の水疱、顔の動きの左右差が特徴で、放置すると後遺症が残るため早期治療が必要です。

三叉神経痛

顔の知覚を担う三叉神経に異常が起き、頬・顎・額に電撃のような鋭い痛みが走ります。洗顔・歯磨き・食事など些細な刺激で誘発されることもあります。

顎関節症によるこめかみや顎の痛み

顎関節や咀嚼筋の異常によって、耳の前、こめかみ、顎に痛みや違和感が現れます。口の開閉時に「カクッ」と音がする、咬み合わせの違和感があるなどの症状が見られます。

歯の病気(歯性疾患)

虫歯・歯周病・親知らずの炎症などが原因で、顔やこめかみに痛みが波及することがあります。
特に上顎の奥歯の感染は副鼻腔に広がることもあり、歯科との連携も必要です。

偏頭痛

偏頭痛はこめかみや目の奥に拍動性の痛みを生じ、吐き気や光・音過敏を伴います。群発頭痛は目の奥に激痛が繰り返され、同じ時間帯に発症するのが特徴です。

耳鼻科で行う主な検査

  • 病歴聴取と診察:発症時期・部位・痛みの性状、随伴症状を確認
  • 鼻腔内視鏡検査:副鼻腔炎や構造的な異常の有無を観察
  • 帯状疱疹迅速検査:水疱部からウイルスを確認
  • 画像検査:腫瘍・神経疾患・副鼻腔の評価
  • 歯科的評価:歯性疾患の除外と治療の方向性を検討

こんな症状があれば受診を

  • 顔の片側に鋭い・ピリピリした痛みがある
  • 水ぶくれや発疹を伴う(帯状疱疹の可能性)
  • 数日以上続く鼻づまり・膿性鼻水がある
  • 歯の治療後にも顔の痛みが続く
  • 目の奥の痛み・視力の異常がある
  • 顔が動かしにくい、ゆがむ(顔面神経麻痺の兆候)
  • 耳の周りに水疱がある(Hunt症候群の可能性)

まとめ

顔の痛みには、副鼻腔炎・帯状疱疹・神経痛・歯の病気など多くの原因があり、なかには早期診断が後遺症の有無を左右するものもあります。とくに片側の鋭い痛みや水疱、顔面麻痺を伴う場合はすぐの受診が大切です。

よくあるご質問(Q&A)

Q1. 顔の片側だけが痛むのですが、何かの病気ですか?

三叉神経痛、副鼻腔炎、帯状疱疹などの可能性があります。
早期受診をおすすめします。

Q2. 顔の痛みと鼻づまりがあります。関係ありますか?

副鼻腔炎の可能性が高く、顔の圧痛の原因となります。

Q3. ピリピリした痛みと水ぶくれがあります。何の病気でしょうか?

帯状疱疹の可能性が高く、発症から72時間以内の治療が効果的です。

Q4. 顔の痛みが歯のせいか耳鼻科の病気かわかりません。どちらに行けば?

当院では歯科と連携しており、まずは耳鼻科での総合評価をおすすめします。

Q5. 顔の神経痛はどんな症状ですか?

三叉神経痛では、電気が走るような強い痛みが突然現れます。

Q6. 耳の周囲に水疱と顔の麻痺があります。何の病気?

Hunt症候群の可能性があり、早期の抗ウイルス薬・ステロイド治療が必要です。

Q7. 顎や耳の前が痛いです。何が考えられますか?

顎関節症の可能性があります。口の動きと関連する痛みが特徴です。

Q8. 群発頭痛ってどんな頭痛ですか?

目の奥に激しい痛みが生じる、非常に強い片側性の頭痛です。

Q9. 自宅でできる予防法はありますか?

睡眠・栄養・ストレス管理・歯科健診などが有効です。

Q10. どんなときにCTやMRIは必要になりますか?

痛みの原因が明確でない場合や、腫瘍・神経病変の可能性があるときに行います。

参考文献

  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会『耳鼻咽喉科診療ガイドライン:成人副鼻腔炎』2020年版
  • 厚生労働省「帯状疱疹に関するQ&A」
  • 日本神経学会『三叉神経痛診療ガイドライン』2022年
  • 日本頭痛学会『頭痛の診療ガイドライン2021』
  • 日本口腔外科学会『顎関節症の診断と治療』2020年
  • 日本神経学会『末梢性顔面神経麻痺診療ガイドライン』2022年
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